2012年6月27日水曜日

品川隆幸の古今東西(14)列島見聞録~奈良編~


奈良と言えば誰でも思い浮かべるのが東大寺盧舎那仏像、いわゆる大仏さんだろう。
「世界最大の木造軸組建築」と言われているが、巨大な鋳物である。
高温で銅を溶かし、外型と中型のすき間に溶けた銅を流し込んでいる。
しかし、これだけの鋳造技術は今の奈良には残っていない。

ただ、今も奈良に残された古の技術はある。
例えば酒もその一つ。
奈良がその起源だとも言われている。
平城京から出土した木簡には、様々な史実が記されているそうだ。
そんな奈良に伝わっている貴重なものに、「ものづくり」という言葉がある。

この「ものづくり」という言葉は大和言葉で、職人の高度な技術を表現するときに
用いられる。
ところが、現在では「ものづくり=製造業」という意味合いで使われることが多いが、
厳密に言えばこの二つの言葉は起源がちがう。
「製造業」は西洋の「Industrial Engineering」を訳した言葉として普及したそうだが、
その背景には単純作業で大量生産される工業製品を起源とする。
そこで、私はあえてこの古から使われている「ものづくり」という言葉にこだわりたい。
そして古都奈良には、そんな職人技の「ものづくり」が今も伝えられている。

私が訪ねたのは奈良県生駒市高山という場所だ。
ここは「茶筅の里」と呼ばれ、代々続く茶筅師が今もその伝統の技を磨き続けている。
茶道でお茶を点てる際に欠かせない茶筅は、安い中国製品も多く輸入されるようになったそうだが、
この高山は今でも90%のシェアを誇っている。
この伝統的な茶筅の里で、「一子相伝」という言葉を初めて知った。

▼続きはこちらをご覧下さい。
http://rodan21.typepad.jp/blog2/2012/06/品川隆幸の古今東西14列島見聞録奈良編.html

0 件のコメント:

コメントを投稿